🌫️マレーシアの空に広がる「ヘイズ」とは?
- Erik & Aya

- 8月6日
- 読了時間: 4分
更新日:9月8日

🌫️マレーシアを覆う「ヘイズ」問題とは?
~原因・健康への影響・政府の対応・ASEAN地域の取り組み~
東南アジアの空に毎年のように広がるスモッグ、それが「ヘイズ(Haze)」です。遠くの空の見通しが悪い。いつもは見えていた建物が霞んでみえないといったことから、大気汚染が視覚的にも明確にわかります。マレーシアでは乾季になると、この煙霧が健康や日常生活に大きな影響を及ぼします。2025年7月はヘイズによる大気汚染が目に見えて酷い状況になっています。私の記憶&体感ではコロナ渦以降では、今年がもっともKLの空がヘイズで汚染されているように感じます。
ヘイズの原因から健康への影響、マレーシア・ASEAN地域全体の対策までを探ってみました。
左:ヘイズが広がる空。 右:澄んだ空
🌳ヘイズの発生要因とは?
主な原因は、インドネシア(スマトラ島・カリマンタン島)での森林火災や農地の焼畑です。これらの火災によって生じた煙が、モンスーン(季節風)によりマレーシア、シンガポール、タイへと流れてきます。特に乾季(6月〜10月)は雨が少なく、煙が長く滞留しやすくなるため汚染がすすみます。
🏥健康への影響とその対策方法
ヘイズは視界不良を引き起こすだけでなく、以下のような呼吸器系の健康リスクを高めます。個人的には、今年の7月は咳がよく出るし、外出した際には鼻水の症状が出ました。ヘイズの影響だと一概には断定できませんが、大気汚染指数は明らかに高く、客観的に健康によくないことが示されています。
また、漢方では、羅漢果というウリ科の果実を使ったお茶は、「喉を潤す・咳を和らげる・痰を減らす」などの効能で知られていて、ヘイズで喉の調子が悪いなと思ったときはよく飲んでいます。「あやのブログ」で作り方を紹介していますので、マレーシアならではの風土病ともいえる症状への対処法、現地の知恵、試してみてくださいね。
影響を受けやすい人:
小さな子ども
高齢者
喘息やアレルギーを持つ人
屋外作業をする人
主な症状:
喉の痛み・かゆみ、咳、目のかゆみ
呼吸困難や喘息の悪化
疲労感、頭痛、集中力の低下
自衛策:
外出を控える(特に朝晩)
N95マスクを使用
空気清浄機の使用、室内の換気を控える
水分をこまめにとる
医師の指示に従う

📊大気汚染指数(API)の確認方法
マレーシアでは、API(Air Pollutant Index)により空気の質をリアルタイムで確認できます。
API値 空気の質 状態
0–50 良好 安全
51–100 中程度 健康な人は問題なし
101–200 不健康 敏感な人に影響あり
201–300 非常に不健康 多くの人が影響を受ける可能性
301以上 危険 緊急措置が必要
確認方法:
アプリ:MyJAS EQMS(Google Play / App Store)

🌧️マレーシア政府の対策
2025年7月、政府は「国家ヘイズ行動計画」と「国家野焼き行動計画」を発動しました。
主な対策:
ホットスポット地域(火災発生地帯)の巡回と取り締まり
API200超:学校や保育施設の即時閉鎖
API150以上が24時間:人工降雨(cloud seeding)を実施
違法な野焼き:最大100万リンギの罰金、または5年の禁固刑
クラウドシーディング(人工降雨)って本当に行われているの?
✅ 実施の事実:実際に、2025年7月には人工降雨が複数地域で行われました。
マレーシアでは、大気汚染(特にヘイズ)の深刻化に伴って、過去何度もクラウドシーディングが実施されています。直近の2025年7月の報道でも、次のように明言されています:
「APIが150を超えて24時間以上続く場合、天候と雲の条件が適していればクラウドシーディング(人工降雨)を実施する」と環境局長官が発表。

🛩️ どのように行われる?
マレーシアでのクラウドシーディングは通常、以下の方法で行われます:
空軍機を使い、食塩などの物質を雲に撒布
適した積乱雲(発達した雲)が存在する場合にのみ実施可能
一部の作業は気象局(MetMalaysia)と国防省、環境省の共同で行われる
⚠️ 課題と制限:
雲がない、または未発達な場合は実施できない
人工的に雨を降らせるには、気象条件が非常に重要
効果も一時的で、根本解決にはなりません
Tabinikoでは、不動産投資から移住・教育サポートまで、マレーシアでの暮らしをトータルでサポートしています。ご関心のある方はぜひご相談ください。
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📚 Sources
MyEQMS https://eqms.doe.gov.my/APIMS/main New Straits Times-”Transboundary haze: School closures, cloud seeding part of action plan”( July 25, 2025)
New Straits Times-”Transboundary haze returns, choking Klang Valley with unhealthy air" (July 21, 2025)
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